4月の音楽

Men I Trust-All My Candles

真夏に食べるかき氷か、真冬に飲むホットココアか

どちらも最高なわけだけど、私は圧倒的に後者のファンです。


寒さの中に感じる温かさ。

これが大好きなんです。
(ちなみに私は夏生まれという矛盾)


Men I Trustは、まさに私にとって
真冬に飲むホットココア。

カナダのケベック州出身の3人で結成されたバンドなのだけれど、

田舎の緑豊かで、でもどこか孤独な環境が、彼らのサウンドを形成しています。

何の特別なことはない、平凡な毎日

時間がゆっくり進み、生活のすべてがインスピレーションになる環境で過ごす彼ら。

決して派手ではないけれど、

彼らの音楽からは確かなセンスを感じます。

今日ご紹介するのは、3/19に出たばかりのアルバム「Equus Asinus」に収録されている「All My Candles」という曲です^^

淡い音色を奏でる楽器たち、ふわりと浮かぶようなやわらかなボーカル。

温かさと静けさが共存するようなサウンドは、耳から全身に沁みわたります。

この曲が歌うのは、「過去に立ち戻る」という感情について。

誰しも経験があると思うんです。

「あの時こうしていれば」と後から思うこと。

自分の行動次第で変えられたかもしれない出来事を、何度も何度も思い返すこと。

過去ばかり気にしてもどうにもならない、という言葉もあるけれど

この曲はむしろ、過去に思いをはせることにはちゃんと価値がある、と語りかけてくれているように感じます。

懐かしさなのか、後悔なのか。

どんな感情であれ、定期的に過去を振り返りながら、私たちは少しずつ前に進んできたはずで。

過去を振り返ってしまうというサイクルこそが、痛みや思い出を自分の中に馴染ませてくれているんじゃないか、って思うんです。


過去という引き出しを開け、いざ、止まらない。

まさに懐古のお手本のような1曲を、どうぞ。


All My Candles

Writers:Dragos Chiriac, Emma Proulx&Jessy Caron

Why go through the drawers?
Things have mellowed out
Before

どうして引き出しを開けるのか?

もうとっくに落ち着いたのに


Spent my teens a fool
Let my mother down
Few days, no school

10代の私は、本当に愚かだった

母親をがっかりさせて

ろくに学校にも通わなかった

Was there more I could have done?
Maybe left the race I’d won

もっとできることがあったのかな

勝てたはずの競争を、途中で投げ出したのかもしれない


Did I miss the last train home?
Too late to change
Or stay the same
Or stay the same

終電を逃してしまったのかな

変わるにも、変わらないにも、もう遅い

Was there more I could have done?
Thirty days are still a month

何かできることはあったのかな

たった30日だと思っていた時間も、ちゃんとひと月分あった


All my candles weigh as none
Too late to change
Or stay the same
Or stay the same

灯してきたキャンドルには、何の重みも感じられない

変わるにも変わらないにも、もう遅い

やっぱりもう遅すぎるのだろうか